徐々に日は短くなり、秋の深まりを感じさせる。
海の中も賑やかになってきた。
魚も、そして我々アングラーも1年で最も活気づく季節だ。
俺も例外ではない。
まだ暗い時間に起きてタックルをパッキングしてバイクの荷台に括り付ける。
準備が終わると、軽い朝食を済ませ、バイクにまたがりエンジンに火を入た。
秋の風を肌で感じ、夜明けを前にした神戸の夜景をバックに高速をひた走る。
東の空がかすかに明るくなってきた頃、俺はとあるサーフに降り立った。
今日のターゲットはヒラメだ。
予報では、雨は昼前からだったが、すでに降り始めている。
なに、この程度の雨じゃ俺の情熱の炎は消せやしないぜ。
さあ、勝負の時間だ。
手前のブレイクラインを輪切りにするように、キャストしては移動を繰り返すが、魚からのコンタクトはない。
そのうち、薄暗かった周囲の景色が鮮明になってきた。
ランガンしているうちに、灰色の雨雲の向こう側に太陽が昇ったようだ。
なに、まだ焦る時間じゃない。
風、波、天候、ベイトの動向・・・。
あらゆる要素から魚の動向を推測し、仮定を立て、実行し、検証する。
アングラーには熱い心と、クレバーな判断力が必要なのだ。
手前がダメなら、次は一段沖のブレイクラインを狙う。
ルアーをジグにチェンジし、渾身の力でキャストする。
着底したら、間髪入れずにゆっくりと大きくジグをジャークしてアピール。
1回・・・。
2回・・・。
3回目のしゃくりを入れようとした瞬間に、かすかな違和感。
頭が判断するまえに、体が反応し、反射的にフッキングをいれていた。
・・・乗った!!
暴れる隙は与えない。
フッキングの勢いそのままに、一気に寄せて来る。
勝負は一瞬だった。
海面を割って姿を現した「ヤツ」を前に、俺はこうつぶやいた・・・。
「エソやんwww」
知ってたわ。ばーかばーか。
てか、ちっさ。ゴミがからんだんかと思ったわ。
よく自分と同じサイズのジグ食おうと思ったな。
ちくしょう、とっとと帰れ!
ええい、忌々しい!
ブログのネタにしてくれるわ!!
てか、このいい時期の朝マヅメに、青物の単発ボイルが1回だけって渋すぎやろ・・・。
そしてタイムアップ・・・(泣
いいですか?
貴重な休みにめっちゃ早起きして、
わざわざ高速に乗って、
湾奥までがっつりイワシが入って大フィーバーしている神戸をスルーして、
(なら神戸で釣れや・・・ってのはおいといて)
雨のなかロッドを振り、
空のクーラーバックを背負って、
また、雨のなかバイクで帰る。
まっているのはずぶ濡れの道具の後始末。
これを悲惨と言わずに何と言う。
なんすか?新しいウェーダーおろしたから釣れないんすか?
おのれマーフィー。おのれヒラメ。
そのうちぎゃふん(古い)と言わせてやるからな
I'll be bacK!!
必ずリベンジしてやるからな~!!