5月上旬。
天川村の洞川温泉郷のはずれにある「泉の森オートキャンプ場」に、バイクツーリングソロキャンに行ってきました。
超久々の天川村洞川温泉へ
天川村の洞川温泉郷は、天川村の中心部からさらに山を登った場所にあり、標高820mのところにある、まあまあな山奥です。
実は天川村の洞川温泉郷は、はるか昔、温泉旅行で来たことがある場所。
昔過ぎて、だいぶ記憶が曖昧になっていたのですが、あらためて来てみると、本当に水がきれいで自然が豊かな場所でした。
「なんでこんな山奥に、宿場町っぽい温泉街があるんだろう」と不思議に思って調べてみると、修験道の聖地(というか、発祥の地)「大峯山」の入口にある洞川が、修験者たちが利用する宿場町として発展したのが由来みたいな感じなんだとか。大体7〜8世紀ぐらいの話みたいです。
奈良あるあるですが、飛鳥時代とか奈良時代に由来を持つ、余裕で1000年以上の歴史を有するものが、そのへんにゴロゴロしているのが、非常にエモいです。
泉の森オートキャンプ場
で、今回利用させてもらったのが、洞川にある「泉の森オートキャンプ場」
洞川の集落の端っこにある、こぢんまりとしたキャンプ場です。
管理人のおばあちゃんが一人で運営なさっているキャンプ場みたいで、かなりアットホーム。
管理棟の雰囲気なんか「マジで実家のおばあちゃんの家」です。
僕が利用したときは平日&5月にしては、かなり異例に冷えこんだ日だったので、他の宿泊者の人がいなかったせいか(日中だけキャンプ場を利用しているグループはいました)チェックインのときに管理棟の中に入れていただいて、「まぁ、ゆっくりしていきなさいよ」と、コーヒーとお団子をごちそうになりましたからね。マジで「実家感」がすごかったですw
結構な時間世間話もしました。笑
キャンプ場のご紹介
では、泉の森オートキャンプ場がどんなところか、ちらっとご紹介していきます。
自然豊かで、こぢんまりとしたキャンプ場
泉の森オートキャンプ場は、サイトのすぐ裏に、清流が流れる自然豊かなキャンプ場です。
夜は星がきれいで、初夏にはホタル、夏は水遊び、秋には紅葉が楽しめるのだとか。
僕がいった5月の上旬は、まだ川の水はとても冷たかったです。
さすが山間部
そこまで大きなキャンプ場じゃありませんし、キャンプ場の設備や水回りは、かなりDIYで作った感が強く、決して「高規格キャンプ場」ではありません。
ですが、必要な設備はすべてそろっていましたし、掃除も行き届いていて清潔感があったので、キャンプ初心者の人でも安心して利用することができると思います。
立地的には山の谷間、川沿いにあるサイトなので、日当たりはマイルド。
標高800m級ということもあいまって、夏でも涼しく過ごすことができそうなキャンプ場です。
天川村は奈良県の山の中なのですが、そこまでアクセスは悪くありませんでした。
阪神間にある我が家からでも2時間と少し。
大阪市内からだと、もっと早いと思います。
日本百名水「泉の森」
キャンプ場のすぐ横には、日本百名水に指定されている湧き水スポット「泉の森」があります。
このキャンプ場の名前の由来なんでしょうね。
おなじく天川村の洞川にある湧き水採水所スポット「ごろごろ水」は有料なのですが、こちらは無料で水を汲むことができました。
敷地が神社になっていたので、一応、気持ちだけお賽銭を入れておきました。笑
蛇口から出る水も湧き水らしいです
キャンプ場の蛇口から出る水も、湧き水を使用しているらしいです。
確かにここの水で入れたドリップバックのコーヒーは、いつもよりちょっと美味しい気がしました。
キャンプ場の湧き水は「泉の森」の湧き水とは別の水、と管理人さんがおっしゃっていました。
飲み比べをしてみても、おもしろいかもしれませんね。
管理棟
キャンプ場の入口すぐにあるのが管理棟。ここでチェックインなんかの手続きを行います。
ちょっとした軽食や、コーヒー、川魚の塩焼きまで販売されているらしいです。
ゴミ捨て場
管理棟横にゴミ捨て場があります。
ゴミは分別すれば処分してもらえます。
洗い場
管理棟前に洗い場があります。
食器用洗剤が常備されていました。
洗面所
管理棟のところに、1箇所だけですが洗面所があります。
なんと洗面台付き。
お湯もでます。
トイレ
トイレは管理棟脇にあります。
きれいに掃除されていました。
ただ、1箇所しかないので、混雑時にはトイレ待ちが発生するかもしれませんね。
お風呂
シャワー室があるキャンプ場はよくありますが、泉の森オートキャンプ場にはお風呂があります。
本当に個人宅の風呂みたいな感じでした。
利用料金は400円らしいです。
僕はキャンプ帰りに地元の温泉に寄って帰るのが楽しみのになっていたりします。
なので、キャンプ場自体に風呂やシャワーがなくても全然OKな人間ですが「シャワーor風呂が(近くに)無いキャンプ場には絶対に行かない」というキャンパーさんも多いみたいなので、そういう人にとっては嬉しいですよね。
ただ、このキャンプ場は洞川「温泉郷」にあるキャンプ場なので、せっかくなら、お風呂は近隣の温泉に行ってみるっていうのもいいかもしれませんね。
乾燥機
川遊びをする人のためになんでしょうか?キャンプ場では珍しく乾燥機が備え付けられていました。
乾燥機は乾くまで300円。
あくまで一般家庭用なので、乾くまで時間がかかりますとのこと。
清流
川はキャンプ場の設備って言うわけじゃありませんが。笑
サイトのすぐ横には、きれいな小川が流れています。
流れもそこまで早くなく、水深が浅いので、ファミリーキャンプでの水遊びにぴったりです。
キャンプ場の近くでは見ませんでしたが、渓流魚が生息しているぐらいの、ガチの清流です。
ちょっと入って見ましたが、とても水が冷たかったです。
しばらく足をつけていたら、冷たくて痛くなりましたw
5月でこれなら、夏でも比較的水温が低そう。
ビールとかスイカとかを冷やしながら水遊びをしたら楽しそうです。
番外編?近隣温泉紹介
泉の森オートキャンプ場は、洞川「温泉郷」にあるキャンプ場なので、近くにある温泉の紹介もさせてもらおうかと思います。
温泉が近くにあるキャンプ場って最高ですよね〜。
洞川温泉「角甚」
洞川温泉郷内で、唯一予約なしで宿泊客以外も日帰り温泉が楽しめる温泉宿が、ここ「角甚」さんらしいです。
(店の前は通りましたが、実際に行ったことは無いのでHPのリンクを貼っておきます)
営業時間は8時〜9時半・13時〜21時、料金は大浴場700円とのこと。
16:30から18:00のピークタイムは宿泊客の方が優先で、日帰りの方は断られるかもしれないのと、日によってはやっていないことがあるので、実際に利用する場合は、事前にホームページにある営業カレンダーを確認するなり、事前に連絡するなりしたほうが無難かもしれませんね。
洞川温泉郷は昔ながらの宿場街の立地がそのまま残っているような温泉街なので、道幅が1車線半ぐらいしかありませんし、駐車スペースもかなり限られている印象でした。
キャンプ場から徒歩13分で到着しますし、星空を眺めながら、夜のお散歩がてら歩いて行くのが良さそうです。
洞川温泉ビジターセンター
「洞川温泉センター」とかのワードで検索すると、檜風呂の温泉施設のHPが出てきて、「閉館しました」とか書いてありますが、2024年4月(だったかな?)に、旧建物の裏に新たに観光案内施設併設の温泉施設がオープンしています。
できたてなので、むちゃくちゃきれいでした。
屋内風呂1個、露天風呂1個と、浴室はそこまで大きくはありませんので、休日のピークタイムに行くと、やや混雑している印象でした。
(実は、ソロキャンで泉の森オートキャンプ場に行ったすぐあとに、土日の休日を利用してファミキャンでも同じ洞川にある別のキャンプ場に行ったのですw)
山奥にある温泉ですが、休日に行ったときには、バイクツーリングの人、旅行客や登山客、あとは自分みたいなキャンパーさんと、さまざまなレジャーを楽しむ人が立ち寄るみたいで、結構賑わっていましたね。
こっちの温泉には大きな駐車場があるので、車で移動することが可能です。
キャンプ場からは車で3分、徒歩だと20分程度です。
営業時間は11時〜20時、水曜日が定休日です。
利用料金は(確か)大人700円。温泉利用で1時間30分駐車場利用料が無料になるみたいです。
2024年6月現在、ホームページが整備されていないので、公式の情報がわかりにくいのですw
公式ページ希望。笑
サイト紹介
続いて肝心のサイトの紹介をしたいと思います。
区画サイトと林間フリーサイトの2種類。
あとはバンガローが2棟と、営業しているかどうか不明のトレーラーハウスが1個あります。
区画サイト
後述しますが、林間フリーサイトがガチの林間で、張ることができるテントのサイズに制限があるので、(ほぼ)ソロ専用になっています。
なので、ファミリーキャンプやグループキャンプでの利用は、必然的に区画サイトになってきます。
区画サイトの地面は砂利。区画の大きさは7.5m×4.3m。
むちゃくちゃバカでかいテントは張ることができないかもしれませんが、十分な広さがあります。
となりの区画との境界線は地面に張られたロープのみなので、混雑時にプライベート感を出そうと思ったら、うまくタープを配置するなど、ひと工夫必要にはなるかと思います。
どの区画でも、トイレや洗い場などの設備周りが近いので、特に不便はないかと思います。
林間フリーサイト
今回自分が利用したのが、この「林間フリーサイト」
杉林の中のサイトです。
車の乗り入れはOKらしいですが、林間サイトの入口(?)部分の頭上に電線が通っているので、あまり背の高い車は入ることができません。
(林間サイトに止めることができない車は、サイト外に駐車場があります)
オフロードバイクにまたがった状態で乗り入れることができたので、ほとんどの車はOKでしょうが、車高の高い車にルーフキャリアを乗せていたりしたら、多分通れないと思います。
管理人さんに伺ったところ
「大きなテントを張ることができないのでソロ専用サイトにしている」
「事前に連絡をしてくれて、人数分の料金を払ってくれたらファミリーでの利用も可」
とのことでした。
確かに林間サイトの地面はきれいに掃除されているとはいえ、結構な密度で木が生えています。
(ウチみたいに)ファミリーキャンプでも極小テントを使用しているっていう方はかなり稀だと思うので、ファミリーはそもそも予約が取れないようにしている方がトラブルが少ないのかなって思いましたね。
一般的なファミキャンには向きませんが、2人用〜3人用のシンプルなドームテントで親子キャンプをするっていうのなら、十分可能じゃないかなと思いました。
ちなみに我が家のファミキャン用テント、ネイチャーハイクのクラウドアップ3は余裕で張れます。
クラウドアップ3は、「寝れればいいや」と割り切っている山岳用テントスペックの3人用テントですがね。笑
話が脱線しましたが、そこまで大きなテントでなければ十分に(好きなように)張ることができるスペースはありますし、木が多いのでハンモック泊なんかにも十分対応できるサイトでした。
あと、林間サイトなので、日当たりがマイルドです。
夏キャンプでも涼しく過ごせそうですね。
区画サイトに比べると、水道やトイレなんかの設備周りへのアクセスは悪いですが、とはいえそこまで大きなキャンプ場ではないので、どこのサイトを選ぼうが大差ない感じはしましたね。
コテージ
コテージが2つあって、それぞれ名前が「素人が作った部屋」と「プロが作った部屋」となっています。笑
名前のまんま、DIYで作ったコテージと、大工さんが作ったコテージらしいです。
「素人が作った部屋」の前には、宿泊者が使える自家製囲炉裏があったりして、なかなか良さそうでした。
トレーラーハウス
先ほども写真を出しましたが、区画サイトと林間サイトの境目に鎮座しているのが、キャンピングトレーラーを魔改造した「トレーラーハウス」
キャンプ場のHPには料金が載っているのですが、キャンプ場予約サイトの「なっぷ」では予約受付画面がなかったので、実際に利用したい場合は直接問い合わせをしてみたほうが良いかと思います。
その他&利用料金
その他、利用料金や注意事項なんかは、キャンプ場予約サイト「なっぷ」や公式ホームページに詳しく書かれているので、キャンプ場の利用をご検討されている方は除いて見てください。
キャンプ場利用日記
キャンプ場や周辺施設のご紹介はさせて頂いたので、ここからは実際に利用した際のレポを少々。
お時間がある方はお付き合いください。
5月にもかかわらず、冬にもどったかのよう
僕がこのキャンプ場を利用したのはゴールデンウィーク明けの5月上旬。
ゴールデンウィーク前半くらいまでは、春とは思えない暑い日が続いていたのですが、一転して冬に戻ったかのような気温に。
ツーリングがてらバイクでキャンプに行ったのですが、風が冷たかったですw
泉の森オートキャンプ場がある「洞川温泉郷」は、標高800m程度の山間部にあるので、平地に比べてさらに気温が下がります。
日中、日が出ているうちは良かったのですが、夜はそれなりに気温が下がりましたし、翌朝早朝の気温は3℃でしたw
冬やんw
この日は、ゴールデンウィーク明けの平日ということもあって、予約は僕を含めて2人だけ。
そのうちもう1名さんは、このキャンプ場の常連さんだったらしく、洞川の気候を熟知しているようで
「めっちゃ寒くなりそうだからキャンセル」
と連絡があったそう。
賢明な判断です
なので、利用者は僕一人。貸し切りです。
林間フリーサイトに設営
林間フリーサイトの川の前のいい雰囲気の場所に今日の居場所を定めます。
眼前に清流が流れていて、小川のせせらぎが聞こえます。
ちょっと河原に降りてみます。
水深はスネ下ぐらい。本当に水がきれいです。
いたるところに、でっけぇシダが生えています。
こんなでかいシダ、他の場所ではあまり見たことが無いのですが、大峯山地域特有なんですかな?
洞川温泉郷散歩
せっかく懐かしの洞川にやってきたので、夕方まで洞川温泉郷を散歩することに。
まずは、バイクで走っているときに視界に入って気になっていた、吊り橋に行ってみます。
「かりがね橋」という全長120m、高さ50mの吊り橋で、天川で一番長い吊り橋らしいです。
橋の上から見た風景。かなり高いです。
洞川の町並みが一望できます。
吊り橋なので結構揺れますし、なかなかスリリングです。
洞川温泉街。
狭めの道路を挟んで、温泉宿やお店がならんでいるのが「宿場町」って感じがしますね。
縁側が開け放たれたデザインの建物が多いのが特徴的です。
このさきにある大峯山に修行に向かう修験者さんが、ふらっと立ち寄れるように縁側を開いてもてなしていたのが、このデザインの由来なんだとか。
温泉宿の他にも、鮎やヤマメなどの渓流魚の塩焼きや、お団子を売っているお店がチラホラ。
あとは、「陀羅尼助(だらにすけ)」という胃腸薬が名物みたいです。
なんでも、この先の大峯山に入って修行する修験者たちのために、修験道の祖である役行者が考案したのが起源だとか。飛鳥時代の話ですね。
陀羅尼助を販売している銭谷小角堂のHPには「おかげさまで1300年」とか書いてありましたね。
いや、歴史よ
キャンプ飯
日が傾いてきたので、キャンプ場に帰って夜の準備をします。
薪OK!ランタンセットOK!準備万端です。
今宵のキャンプのメインはこちら
来る途中のスーパーで買った、奈良の日本酒です。
夜は冷える予報だったので、こいつを熱燗にしてやるのです。
そして、鮎。天川村といえば鮎。
しらんけどw
買ったのは天川村じゃなくて、来る途中にあったスーパーでですけど。
しかも、下処理がめんどうだったので、生の鮎じゃなくて、お惣菜コーナーに売っていた塩焼きの鮎ですけど。笑
鮎の塩焼きを焼きながら(わけわからんw)、ご飯を炊きつつ、熱燗していきます。
鮎と日本酒。合わないわけがない!
メインディシュは、安売りしていたステーキ肉(小さいの)と
キムチ鍋。なんかソロキャンのときは毎回キムチ鍋を作っている気がします。楽で美味いんです。
食いたいものを食って、飲みたいものを飲んで満喫。
夜は冷え込んだので、よけいに熱燗が美味かったです。
翌朝
昨夜は21時前に就寝し、11時間ほど爆睡して起床。
めっちゃ寝ましたw
川のせせらぎを聞きながら就寝したせいか、超絶爆睡できました。
湧き水で淹れたモーニングコーヒー。
水道水よりも美味しく感じますね。
キャンプバイアスがかかっているからかもしれませんがw
朝ご飯は、昨日スーパーで買ったおにぎり。
クーラーボックスに入れていたら、カチカチに乾燥してしまったので、一か八か焼きおにぎりにしてみました。
岩石を焼いているようなビジュアルですw
朝ご飯後は11時のチェックアウトギリギリまでのんびりして、キャンプ場をあとにしました。
お世話になりました。
寄り道 道の駅「吉野路黒滝」
帰りは泉の森オートキャンプ場から高速道路までの間にある道の駅「吉野路黒滝」にちょっと寄り道。
イノシシやシカなんかのジビエを使ったホットスナックや、土地の野菜、お弁当なんかが売っているのですが、なにげなく買った串こんにゃくが激ウマでした。
しかも、お値段110円。
安っ!
あとで知ったのですが、このあたりはこんにゃくが名産らしいです。
水がきれいだとこんにゃくもおいしくなるのだとか。
みなさんも、お近くに行くことがあったらぜひ食べてみてください。
まとめ
奈良県天川村の洞川温泉郷にある「泉の森オートキャンプ場」のご紹介と、実際に行ってきたレポを書かせていただきました。
アットホームなかんじの、雰囲気のよいキャンプ場でした。
ファミキャンでも、ソロキャンでもおすすめできるキャンプ場でしたね。
あと、水が抜群にうまい。
標高が高いために市街地と比べると気温が低いキャンプ場ですし、清流での川遊びも楽しめるので、夏休みシーズンにファミリーで川遊びキャンプに行くのも良いかもしれません。
僕もまた利用したいと思います。
みなさんも、機会があればぜひ!
ではまた!